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 虫歯治療・根管治療 

当院の痛みを可能な限り抑えた治療

当院の痛みを可能な限り抑えた治療

当院では、次の4つのステップを踏むことで、痛みを可能な限り抑えた治療を実現しています。

  • STEP

    01

    表面麻酔

    事前に、注射する部位に表面麻酔のゼリーを塗ります。これにより注射時の痛みを軽減します。

  • STEP

    02

    医学的な知識の応用

    痛みを感じにくい部位を狙い、できるだけソフトに注射します。そのほか、息を吐く際に注射するなど、いくつかの医学的知識を利用します。

  • STEP

    03

    「極細の針」を使用

    ディスポーザブル(使い捨て)のできるだけ細い針を使います。

  • STEP

    04

    電動麻酔注射の利用

    急激に麻酔液を注入すると細胞が膨張し痛みの原因となりますので、ゆっくりと時間をかけ麻酔液を注入していくことが大切となります。
    しかし、人間の手で行なうと、どうしても注入速度が一定にはなりません。そこで当院では、注入速度を機械制御した「電動麻酔注射」を導入し、痛みを抑える工夫をしています。

M.I.(Minimum Intervention)の概念を重視します

当院ではM.I.(Minimum Intervention)の概念を重視しています。これは「最小限の侵襲」という意味で、できるだけ歯を削らない・神経をとらない・歯を抜かないという方針です。

かつては「痛いのは嫌だから早く神経をとってほしい」「どうせまた悪くなるから抜いてほしい」という考えの方も多かったと思います。しかし、当然ながら、一度抜いてしまうと二度と歯は生えてきません。失ってからそのありがたみを理解しても、もう遅いのです。

私たちはまず、患者さまに歯の大切さを理解してもらうことを重視し、よくご説明してからいくつかの選択肢を提案しています。では、当院で行なっている「最小限の侵襲」をご紹介します。

歯科用ルーペの利用

すべてのケースで行なうわけではありませんが、「歯科用ルーペ(拡大鏡)」を使っての治療を実施しています。
こちらの写真が歯科用ルーペを使用した際に見える視界です。歯科用ルーペを利用することにより患部が大きく見えるため、繊細な治療が可能となります。必要に応じてルーペを使うことで、歯を削る量を最小限に抑えて治療できます。
また、ルーペは虫歯治療だけでなく、ほかの治療にも応用ができ、すべての治療で「繊細・精密」で「丁寧」な治療が可能となります。

歯科用ルーペの利用

コンタクトリング・コンタクトマトリックスの利用

前提として、虫歯の進行状態によって治療内容は変化します。
小さい虫歯であれば、「レジン」とよばれる白いプラスチックを詰めます。中くらいの虫歯であれば、銀歯の「詰め物」をします。大きい虫歯であれば、広範囲にわたる「被せ物」が必要です。
虫歯が進行すればするほど歯を削る量は増え、その分歯の寿命も短くなっていきます。
そこで当院では、コンタクトリング・コンタクトマトリックスというものを使っています。これは、通常であれば「詰め物」が必要な場合でも、「レジン」で済ませられる手法です。つまり、 歯を削る量を減らすことができるのです。手間がかかる作業のため、この手法を利用している歯科医院は珍しいかもしれません。

コンタクトリング・コンタクトマトリックスの利用

虫歯の進行状況別の治療内容

虫歯は急に進行するわけではなく、長い年月をかけて徐々に進行していきます。ごく初期の段階(CO=経過観察)を過ぎると悪化の一途をたどります。歯は一度悪くなってしまうと、元の状態には戻らないという認識が大切です。

歯科医院では、虫歯の進行状況を、それぞれCO⇒C1⇒C2⇒C3⇒C4という記号で表します。

初期の段階であるCO(経過観察)の段階であれば、処置によって歯を削らずに自然治癒(再石灰化)させられます。しかし、それ以降のC1~C4の段階になると、歯を削るなどの治療が必要となります。

C1:エナメル質が溶け表面に穴が開いている状態

虫歯の初期段階であるC1になると、治療が必要になりますが、虫歯を削りレジンを詰め、1回の治療で終えることができます。

C1:エナメル質が溶け表面に穴が開いている状態

C2:穴が象牙質にまで拡大している状態

冷たい物を飲んだ際に歯に違和感を覚えるのは、C2の段階です。まだ歯を削る量は可能な限り少なくできます。また、治療回数も1回~2回程度と短期間で終えられます。

C2:穴が象牙質にまで拡大している状態

C3:歯がかなり失われている状態

C2の段階よりも痛みの自覚症状が強くなります。C3以降の治療は、虫歯が神経に到達しているため、神経を除去もしくは除菌する治療が必要になり、クラウン(被せ物)を装着します。治療回数は5~6回程度かかります。

C3:歯がかなり失われている状態

C4:歯の根しか残っていない状態

残念ながら、C4になった歯は基本的に残せません。しかし、周囲の骨や歯の根の状況などによっては、歯を残す治療も可能となる場合があります。まずはご相談ください。

※C4まで進んだ場合は、通常「痛み」はなくなります。そのため、「痛みがなくなったから、歯医者に行かなくていい」と考える方が多いかと思います。
しかし、その考えは非常に危険で、痛みがなくなったのは神経(歯髄)が死んでしまったからです。細菌はその間にも徐々に歯を溶かして腐らせていきます。決して「痛みがなくなった=治った」わけではないため、早めに当院にお越しください。
※抜歯した後の対処法としましてはインプラント・ブリッジ・入れ歯があります。詳細は インプラントによる歯科治療、入れ歯・ブリッジのページをご覧ください。

C4:歯の根しか残っていない状態

詰め物・被せ物の種類

詰め物・被せ物にはさまざまな種類があります。
よく知られているのは、「銀歯」とよばれているものですね。保険診療の材料でお財布にやさしいというメリットがある一方、見た目・金属アレルギー・耐久性・精度などにおいてデメリットがあります。

また、自費治療(保険適用外)の材料は、保険診療の材料と比べて、審美性・体への影響・機能性・耐久性・精度などにおいてさまざまなメリットがあります。

詰め物・被せ物の種類
詰め物・被せ物の種類
詰め物・被せ物の種類

治療後の予防ケア

詰め物・被せ物をして虫歯が治ると、歯が以前よりも丈夫になったように感じるかもしれませんが、歯は治療するほど弱くなります。歯と詰め物・被せ物の間にはどうしても小さな隙間が生じ、そこから虫歯菌が侵入し、虫歯が再発する場合が多々あります。

虫歯を再発させないためにも、予防ケア・メンテナンスが大切で、お口のケアのために3~6ヵ月ごとの定期的な来院をおすすめします。当院では、日頃の歯磨きだけでは落とせない汚れをプロの手でクリーニングしたり、虫歯を初期の段階で発見して対策したりと、虫歯を再発させないための予防ケアを行なっています。
詳しくは 予防ケアをご参照ください。

根管治療とは

虫歯が進行し、虫歯菌が歯の神経まで達すると、強い痛みや腫れを引き起こします。そのままにしておくと周囲の骨などが溶け、抜歯が必要となってしまいます。

そこで、神経を除去もしくは除菌する治療が必要になります。これが根管治療で、神経をきれいにした後、被せ物を装着します。根管は非常に複雑に入り組んでいるため、当院では根管治療の成功のためにマイクロスコープなどの先端的機器を利用し、治療を行なっています。

先端的機器を利用した精密根管治療

先端的機器を利用した精密根管治療

当院では、「マイクロスコープ」や「CT装置」などの先端的機器を利用した精密根管治療を行なっています。

そもそも根管治療とは、虫歯が進行し、歯の神経まで達してしまった場合に必要となる治療法のことを言います。具体的な治療内容は、虫歯に感染した神経を取り除き、根管(神経が入っている管)をきれいに清掃してから被せ物をします。

一見簡単そうですが、「根管をきれいに清掃する処置」は非常に困難を極めます。なぜなら、根管は非常に複雑に入り組んでいるうえ、しっかりと清掃を行なわなければ、痛みや腫れなどの原因となり、「根尖病変」という病気になってしまうからです。下の画像の黒い部位が神経の入っている管です。このすべてを清掃する必要があります。

先端的機器を利用した精密根管治療

従来は肉眼で根管治療をしていました。しかし、肉眼では細かい部位をすべて確認しながら完璧に作業するのは不可能です。つまり、従来の根管治療は、勘や経験に頼っている部分が大きく、再治療や抜歯の選択を迫られる場合も多々ありました。

しかし、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)やCTを利用することで、細かい部位まで見えるようになり、しっかり目で確認しながら治療できるのです。マイクロスコープやCTを含め、当院で行なっている根管治療の方法を簡単にご紹介します。

「可視化」精密根管治療のご紹介

当院で実施している「可視化」根管治療は、再発しにくいことが大きな特徴です。その前に、アメリカの興味深い統計をご紹介します。

根管治療の精度 被せ物の精度 成功率
パターン① ○高い精密度 ○自費の被せ物 91.4%
パターン② △中度の精密度 ○自費の被せ物 67.6%
パターン③ ○高い精密度 ×保険の被せ物 44.1%
パターン④ ×低い精密度 ×保険の被せ物 18.1%

このデータからは、精密な根管治療を行ない、自費診療の被せ物の治療を行なった場合の成功率は91%と高いことがわかります。一方で、治療の精度が低く、保険診療の被せ物で治療を行なった場合は、80%以上の確立で再発すると読み取れます。

当院ではマイクロスコープなどを活用し、上の表の「高い精密度」に該当する治療を行ない、高い成功率を誇っています。それぞれ特徴をご紹介します。

当院の根管治療

当院では、根管治療として下記3つを行ないます。虫歯菌をきれいに取り除けていないと再発し、また同じように根管治療を受ける必要が出てきてしまいます。当院では一時的な治療ではなく、再発防止のために問題の根本的な原因へアプローチしていきます。

  • 特徴

    01

    治療精度を飛躍的に高める「マイクロスコープ」

    治療精度を飛躍的に高める「マイクロスコープ」

    マイクロスコープとは、治療部位を高倍率で拡大する歯科用顕微鏡です。根管治療においては、どれだけ詳細に問題の部位を確認できるかが成否を分けるため、

    成功率を上げるために欠かせない機材となります。

    下の画像は、肉眼で見た状態と、マイクロスコープで見た状態の視野の違いを表しています。どちらのほうが精度の高い治療ができるかは一目瞭然ですね。マイクロスコープの導入によって、抜歯という最悪のシナリオを避けられる可能性が飛躍的に高まりました。

    治療精度を飛躍的に高める「マイクロスコープ」
  • 特徴

    02

    一般のレントゲンでは確認できない部位までも可視化するCT装置

    一般のレントゲンでは確認できない部位までも可視化するCT装置

    CTはマイクロスコープと同様に、治療部位を「見える化(可視化)」させる先端的機器です。通常のレントゲン(デンタルエックス線写真)でも大まかには判断可能ですが、CTを用いることで、デンタルエックス線写真では発見できないような微細な病変も発見可能となります。下の画像はCTで撮影しました。

    一般のレントゲンでは確認できない部位までも可視化するCT装置

    赤丸は、根尖病巣とよばれる問題が出ている部位です。レントゲンでも根尖病巣の有無は判断可能(ぼんやり黒く映ります)ですが、CTを利用するとレントゲンでは見えない部位も可視化でき、より一層精密な診査・診断、そして治療が可能になります。

  • 特徴

    03

    ラバーダム防湿などを利用した「再発防止」体制

    患者さまから「以前別のところで根管治療を受けたけれど、また痛みが出てきてしまった…」といった相談をお受けすることも少なくありません。再発してしまうのはどうしてだと思いますか?

    結論からお伝えすると、一般的に行なわれている根管治療は、「問題の根本的な原因」へのアプローチが不十分だからです。

    冒頭でもお伝えしましたが、そもそも根管治療とは、虫歯が進行し、歯の神経まで達してしまった場合に必要となる治療法のことを言います。そして虫歯は、虫歯菌が原因で発症する感染症です。そのため、根本的な原因である「虫歯菌」へのアプローチができていなければ、いくら治療したとしても、再発してしまう可能性が高まります。

    ここでは、当院が行なっている再発のリスクから患者さまを守るための「再発防止」体制をご紹介します。

    体制1.「ラバーダム防湿」の利用

    「ラバーダム防湿」の利用

    ラバーダム防湿は、治療する歯以外を覆い被せる薄いゴム製のシートです。ラバーダム防湿の使用によって、お口の中の唾液に含まれるさまざまな細菌が治療する部位に侵入し感染するのを防げるため、無菌に近い状態で治療を行なえます。

    逆に言えば、ラバーダム防湿を使用せずに行なう治療は、治療部位への細菌感染のリスクが高まり、再治療の原因ともなります。

    体制2.根歯にやさしく柔軟性を持つ「ニッケルチタンファイル」

    根管治療では、虫歯に侵された神経を除去するために「ファイル」とよばれる器具を使用します。このファイルは大きく分けて2種類あり、1つが「ステンレスファイル」、もう1つが「ニッケルチタンファイル(NiTiファイル)」というものです。

    多くの歯科医院ではステンレスファイルのみを使用していますが、当院では十分な柔軟性を持ち、より神経を除去できるニッケルチタンファイルも同時に導入しています。これにより、患者さまの歯を残すための精密根管治療が可能となるのです。

    体制3.根管内をきれいに洗浄・消毒する「殺菌剤」の利用

    根管治療では、ヤスリのような器具で根管内の汚れを削っていきます。ヤスリで物を削ると細かい削りカスが出るのと同様に、根管治療でも歯質を削る際にカスが出ます。

    このカスにはたくさんの菌が存在していますので、除去しなければならないのですが、手で扱う器具では、しっかりと除去できません。カスをそのままにしておくと、再発の原因となります。

    この問題を解決するのが「殺菌剤」です。専門的な話になるため詳細は割愛しますが、薬剤が根管治療で生じた削りカスを溶かし、消毒によって根管内をクリーンな状態にし、病気の再発を防いでくれます。また、マイクロスコープなどを利用したとしても、すべての根の状態を100%確認できるわけではありません。確認できない部位に関しては、殺菌剤が威力を発揮します。

    体制4.殺菌作用と歯の組織再生効果のある「歯科用覆髄材料」の活用

    根管治療の最後の仕上げとして「根管充填」を行ないます。これは、歯の神経を取ったことで空洞になった根管内を緊密に塞ぐ処置を指します。この際、隙間を完全に塞がなければ、再び感染してしまう可能性が高まります。

    一般的には「ガッタパーチャ」とよばれる、ゴムのような材料で隙間を塞ぎます。しかし、複雑な構造の根管内をガッタパーチャでは完全には塞ぎきれないケースが多々あります。

    一方、当院が導入している「歯科用覆髄材料」では、根管内を隅々まで緊密に塞ぐことができ、かつ、殺菌作用および強い接着性と歯の組織再生効果も兼ね備えているため、治療後の経過が非常に良好になります。

    歯科用覆髄材料は、複数種類があります。

詰め物・被せ物の作製・使用ともなう一般的なリスク・副作用

  • ・審美性と機能性を重視する場合は自費診療(保険適用外)の材料を使うため、治療費は保険診療よりも高額になります。
  • ・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせによっては、補綴物が破損することがあります。
  • ・セラミック製の補綴物は、金属製の補綴物よりも歯を削る量が多くなることがあります。
  • ・審美的歯科治療を行なう前に根管治療や、被せ物の土台の処置が必要なことがあります。
  • ・歯ぎしり・食いしばりなどの癖や噛み合わせに問題がある場合には、補綴物の破損を防ぐためのマウスピースの装着をおすすめすることがあります。
  • ・加齢による歯肉退縮により補綴物の審美性が失われた場合、再治療が必要なことがあります。

根管治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・治療内容によっては保険診療となりますが、機能性を重視する場合は自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・根管治療を行なうと、歯の構造が筒状になるため、歯が破折しやすくなります。
  • ・再度根管治療を行なうとさらに根管壁が薄くなり、より歯が破折しやすくなりますが、コア(土台)と被せ物を接着力に優れたセメントで接着し、歯・コア・被せ物を一体化させることで、破折のリスクを抑えられます。
  • ・再度根管治療を行なっても、予後が悪くなってしまうことがあります。このような場合は、外科的な治療で対応することがあります。

マイクロスコープ用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • ・精密な治療を行なうための歯科用顕微鏡であり、焦点の合う範囲が狭いため、立体的な観察機器としては必ずしも適しません。治療内容によっては使用しない場合があります。

CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • ・人体に影響しない程度(医科用CTの1/10程度)の、ごくわずかな被ばくがあります。
  • ・ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。

歯科用覆髄材料を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性を重視するため自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・すべての症状に適用できるわけではありません。
  • 必ずしも歯髄を残せるわけではなく、症状によっては抜髄が必要になることがあります。

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