矯正治療後の後戻りと矯正後に必要不可欠なリテーナーについて1
2018年1月9日はじめに
みなさんは後戻りという言葉を耳にしたことがありますか?
矯正治療を行った後に放っておくと、歯が元の場所に戻ろうとします。歯科矯正においてこのように歯が元の場所に戻ることを後戻りと呼んでいますが、どうして後戻りが起こってしまうのでしょう。
ここでは矯正治療後の後戻りと必要不可欠なリテーナーについて詳しくご説明します。
矯正治療を検討している方はぜひ読んでみて下さいね!
後戻りとは
そもそも歯並びがきれいになって矯正装置を外しても、治療が終ったということではありません。
矯正治療が終わったら、そのままにしておくと歯は自然に後戻りを起こしてしまうためそれを防止するためにリテーナーと言われる保定装置を付けるのが一般的です。
後戻りする原因
歯が後戻りする原因はそれまで生活する上で行ってきた生活習慣やくせなどによるものがあります。
たとえば、歯がガタガタの方なら頬杖やうつ伏せ寝を無意識にしていたり、出っ歯の方なら前歯の裏を舌で押してしまったり・・などですね。
さらに、矯正治療によって移動した歯は元の場所へ戻ろうとするため後戻りが起こると言われています。
それを防ぐためにリテーナーを装着するのです。
リテーナーを付ける理由
後戻りを防止するため
矯正治療が終った直後の歯は歯の根っこを支えているところが動きやすいので、きれいになった歯並びが元に戻りやすくなっています。
時間をかけて矯正し歯を動かしても、一生歯は動き続けるものです。リテーナーは歯を維持したり安定させるために必要不可欠なもので、歯が動きやすい状態が済むまで装着する必要があります。
治療期間を短くするため
リテーナーを使わないと、矯正治療の期間が倍になってしまうと言われています。
リテーナーとは後戻りの期間を矯正するための2つめの矯正器具とも言え、装着しない場合は歯並びが元に戻ってしまうリスクがあります。
リテーナーの役目は歯を矯正した後動きやすい状態にあるのを固定することで、この間も矯正装置で矯正し続けるという考え方もありますが、さほど歯を動かす力が必要とされないのでリテーナーでも対応可能です。
また、ブラケットだと費用や手間がかかったり、虫歯になりやすいですし審美性も低いのでリテーナーで保定することをおススメします。
噛み合わせをしっかりさせるため
リテーナーはワイヤーなどの矯正装置より歯を細かく移動できると言われており、噛み合わせをしっかりさせることもできます。歯をイメージ通り綺麗に矯正する以前に、噛み合わせでうまくいかない場合であってもリテーナーで調整し噛み合わせをきれいにすることができるからです。
噛み合わせを調整できれば、よりしっかり噛める歯にすることができるメリットがあります。
リテーナーの種類
では具体的にリテーナーにはどんな種類があるのでしょうか?
リテーナーはあごの裏に装着するワイヤーと、樹脂を組み合わせたものや透明な樹脂製のマウスピースなどがあります。どれも矯正装置によってきれいになった歯並びに付けることで、後戻りや歯並びが乱れてしまうのを防止できます。
一般的にリテーナーはご自分で着脱できますが、中には接着剤で歯に固定するものもあるようですね。
リテーナーを装着する期間
リテーナーを装着する期間は骨が安定するまで最低6カ月から1年程度必要です。
矯正治療の内容、クリニックの治療方針、患者さんの年齢やお口の状態などによって変わりますが、おおよそ1~3年程度の場合が多いです。
ですが、この保定期間が終わってもリテーナーを装着しなくなると、少しずつ歯は元に戻ろうとします。
その理由は上でも述べましたが、歯は一生自然に動こうとするためです。ですので、夜だけでもリテーナーを装着するなど、日常生活で可能な限りリテーナーを付けることを勧めるクリニックが多いです。
保定期間は長ければ長いほどその分効果があるため、続けることのデメリットは全くありません。
正しい噛み合わせや美しい歯並びを保つには一生寝ている間だけでも構わないのでリテーナーを装着することなのです。
また、保定期間中は定期的にクリニックへ行って後戻りしていないかどうか、虫歯ができていないかどをチェックする必要があります。保定期間の治療費については矯正治療費に含まれていることが多いですが、クリニックによって違うため前もって確認しておきましょう。
リテーナーを装着している間の注意点
ていねいに扱う
リテーナーは歯磨きの際に外しますが、壊れないようにていねいに扱いましょう。リテーナーは違和感を最小限にするためプレートの部分を小さく薄く作られているため、洗う際にあまり力を入れて持つと壊れてしまうことがあるようです。
リテーナーを外した時はハンカチやティッシュに包んでポケットに入れるようなことは避けましょう。誤って捨ててしまったり、壊れたりすることがあるからです。
食べものに注意する
リテーナーを装着している間は食べものにも注意する必要があります。
最近ではさまざまな種類のガムが売られていますが、リテーナーに付きやすいガムがあるので、そういったものはリテーナーを装着している間は食べるのをやめておきましょう。
リテーナーの洗浄方法
リテーナーを洗浄、除菌、においを取るために専用の洗浄剤を使ってきれいにしましょう。ただ、これに長時間浸けすぎますとリテーナーの金属部分が溶けてしまいワイヤーが外れてしまうことがあります。
浸ける時間は30分以内にしましょう。
もし、リテーナーが壊れたりしたらすぐにかかりつけのクリニックへ持っていき相談するようにしましょう。
まとめ
歯並びが理想通りにきれいになり、矯正装置を外せたらうれしい気分になるでしょう。ですが、その後保定期間にリテーナーを使って保定するのも矯正治療の一つです。
リテーナーは基本的に取り外すことができるため、つい面倒になってさぼったり、付けるのを忘れたり・・などしてしまいがちです。
矯正治療が終わった直後は特に後戻りのリスクが高いため、注意点をしっかり守って矯正後の後戻りを防ぎましょう。
リテーナーをしっかり装着し理想の歯並びがいつまでもキープできるといいですね!