矯正治療のリスクや事前に知っておくべきポイント1
2017年12月1日はじめに
小さい頃から歯並びが悪くコンプレックスだったという方が多いようです。また、歳を取るにつれ少しずつ歯並びが悪化したため、口元をきれいにしたいという方もいらっしゃいます。
矯正治療と聞くとお子さんのものと思われている方もいらっしゃいますが、最近では大人になって矯正治療を始める方も増えています。
ここではそんな矯正治療のリスクや、知っておくべきポイントなどをまとめてみました。矯正治療を始めてみようかな・・と思っている方はぜひ読んでみて下さいね!
矯正治療のリスク
治療期間が長くなることがある
歯の動くはやさは人それぞれ違っているため治療期間が当初予定したものより長くなることがあります。治療期間は患者さんのご協力が得られるかどうかによって長くも短くもなります。
後戻りすることがある
矯正治療後に歯は元あった場所へ戻ろうとすることがあります。
そのため、矯正装置を外したら保定装置と言われるものを使って後戻りを防ぎます。この保定装置は美しい歯並びを保つために重要で、使い方や装着時間についてはクリニックできちんと説明を受けましょう。
ただ、保定装置を使っても歯周病や舌や口のくせやあごの成長異常、歯ぎしりや口呼吸があると後戻りすることがあるそうです。
歯が痛む
矯正装置を付けて数日間は食事の時などに歯が痛むことがあります。これは歯が動いているということなので心配しなくてもかまいません。
症状がひどい場合は鎮痛剤を処方されますが、通常時間が経つと痛みは消えていきます。
虫歯や歯周病になりやすい
矯正治療中はできる限り間食をしないようにし、食後歯磨きを行いましょう。
プラークを取り除いてお口の中をきれいにし、虫歯や歯周病を予防する必要があります。もし、矯正治療中に歯周病や虫歯が発見されれば、装置を外し治療することになります。
そうなると、矯正期間が長引くことがあるのでお口の中は常にきれいにしておくことが重要です。
口内炎になりやすい
矯正治療中は口内炎ができやすいと言われています。もし、口内炎ができてしまったらクリニックで相談し、塗り薬などを処方してもらいましょう。
発音しにくいことがある
矯正装置を歯の裏側に付けた場合などにサ、タ、ラ行が発音しにくくなることがあります。発音しにくいと感じる期間は人それぞれですが、次第に慣れてくるので安心しましょう。
歯ぐきが退縮する
歯周病やその他の理由で歯ぐきが下がってしまっていると、歯を移動させることで歯ぐきが下がってしまい歯根部が露出してきます。また、歯の形にもよって違いますが、重なり合っていた歯がきれいになってくると歯ぐきと両隣との間にすき間ができると言われています。
これをブラックトライアングルと言い、歯ぐきが下がったように見えるものの実際にはきれいな歯並びですので安心しましょう。
歯髄炎になることがある
歯が動いている間、歯の神経がしみるように痛む場合があります。原因はさまざまで症状は次第に収まりますが、長期間続く場合はクリニックで相談しましょう。
状態によっては歯が変色することもありますので、気になる方は早めにクリニックで診てもらいましょう。
歯根が吸収される
矯正治療中に歯根が短くなってしまうことがあるようですが、健康な状態で起こるものは問題はないと言われています。ただ、お口の中の状態が不衛生で歯周病が起きた時は歯の寿命が短くなるので注意が必要です。
顎関節症になることがある
全ての方がなるというわけではないですが、治療の過程や内容によっては口が開けにくくなったり、耳鳴りや頭痛が起きることがあります。矯正治療と顎関節症との関係は低いと言われていますし、姿勢や肩こり、ストレスによって起きる場合もあります。
気になる方はクリニックで相談しましょう。
矯正治療で注意するべきポイント
虫歯は前もって治療しておく
虫歯があると虫歯を治療してからでないと矯正治療が受けられません。もし、治療を行わずに矯正治療をしてしまうと、その虫歯を抜くことになった場合にその部分の矯正費用が無駄になるからです。
治療費が高額になる
矯正治療は保険が効かない自由診療ですが、場合によっては保険が使えることもあります。治療費は大人と子どもでかなり差があるため、前もって確認しておくようにしましょう。
まず、大人の方が矯正治療を行う場合に一般的なワイヤーやブラケットで矯正すると、80~100万円程度かかるのが一般的です。歯の裏側に装着するハーフリンガル矯正の場合には特殊な矯正治療のため120~150万円程度はかかってきます。
さらに、初診料・検査代・メンテナンス代などがかかることもあります。
次にお子さんの場合ですが、永久歯の生え変わりに合わせて行われる矯正治療だと30~50万円程度が一般的です。また、永久歯が生え揃ってから行う矯正治療だと40~60万円程度のことが多くなります。
お子さんは大人と比べて歯を動かしやすいので、治療期間が短くて済み費用も安くなるのが一般的です。お子さんの矯正治療について迷っている場合は永久歯になる前に行うことがおすすめです。
メンテナンスを行う必要がある
矯正治療を行って美しい歯並びになったとしても、矯正装置を外して1年程度は歯が後戻りしようとします。
ですので、リテーナーと言われる保定装置を使って後戻りしないように固定しておかなければなりません。
この保定装置は24時間装着するものと、寝ている間だけでいいものとがあるので前もってクリニックで確認しておきましょう。
まとめ
矯正治療を受ける際のリスクや注意すべきポイントなどをまとめてみました。
矯正治療中はちょっとしたことが気になったりするものです。こんな些細なことを聞いてもいいのかな?と思われるかもしれませんが、遠慮せず聞くようにしましょう。