矯正歯科を行う前に-知っておきたい治療方法の基礎知識1
2017年2月22日はじめに
歯科矯正とは一般的に歯並びの悪さをキレイにしていく治療のことです。
ですが、ただは見た目をよくするだけでなく、発音をよくしたり、しっかりと食べ物を噛めたり、全身と噛み合わせのバランスを調整し歯のがたつきをなくすことでお口の状態もよくなりますし、歯の寿命を延ばすという予防効果もあります。
さらに、成長期のお子さんであれば顔やあごの発育を促進する効果もあり、多くの効果をもたらす治療法なのです。
歯科矯正のメリット
では、歯科矯正のメリットにはどういうものがあるのでしょうか?
まず、歯並びがキレイになると笑顔に自信が生まれる・・というメリットがあります。
また、虫歯や歯周病のリスクを軽減します。
歯を失う原因のものには虫歯と歯周病があります。
この2つの原因は歯や歯茎の間に入り込んだプラークであると解明されています。
プラークは単に歯についた汚れなのではなく、細菌の塊であり、そこから出る毒素や酸によって、虫歯や歯周病が進んでいきます。
矯正歯科で治療して歯並びをよくすると、歯と歯の間にプラークがつきにくくなり、ブラッシングしやすくなるメリットがあります。
日本歯科医師学会では8020運動という運動を推進していますが、80歳で20本以上の歯がある人の多くは歯並びがいいという報告がされています。
今では、日本人の平均寿命は80歳を超えており、生活の質の向上の意味においても自分の歯をいつまでも使って食事ができることが望ましいです。
また、歯科矯正には噛み合わせを改善するメリットもあります。
いい噛み合わせの条件とは、
上下の歯が適切な位置ですべて噛みあっている
上下の歯が安定して噛みあっている時、顎関節の位置も安定している
全身の姿勢とバランス、噛み合わせがきちんと調和している・・ことです。
矯正歯科で治療をする際、噛み合わせを考慮することは大変重要です。
噛み合わせが悪いと歯に悪影響を及ぼし、顔がゆがむ、肩こり、頭痛・・などの全身の健康状態にもかかわってきます。
歯科矯正の期間とは?
人間の骨は破壊と再生を繰り返しています。
これを行いながら新陳代謝し、体を支えているのです。
歯科矯正とはこの骨代謝を利用し、歯を動かす治療法で、装置を使って歯に力を少しずつ継続的に加えていくと、だんだん歯が動いていきます。
歯が動く速さは1か月に1ミリ程度と言われており、強い力をやみくもに加えても速く動くものでもありません。
力をかけすぎると歯の周りの血管が圧迫されるため、正常な代謝ができずに歯が動かなくなったり、最悪歯根や周りの骨に多大なダメージが与えられてしまうのです。
つまり、歯や周りの組織に負担がかからず、患者さんの体が本来もつ自然のペースで治療するためには、いい歯並びと噛み合わせになるまでに2~3年はかかるわけですね。
なお、お子さんの歯科矯正の場合には、歯が生え変わる時期の6歳くらいの頃に、永久歯が生えやすくなるよう部分的な矯正を行ったり、あごの骨を適正にする治療を行っていきます。
そのあと、永久歯が生えそろった頃にワイヤーやブラケットを使用して歯並びやかみ合わせをよくする全体的な治療を行います。
最初の矯正を1期、次の矯正を2期とし、このように時期を分けて治療する場合、トータルでの通院期間は当然長くなります。
通院頻度は?
矯正の治療法によって通院頻度も違いますが、矯正装置を使いだしてからは3~4週間に1度の通院になるでしょう。
これはいったん矯正装置の調整により加わった力に対し、歯が動くサイクルに合わせるからです。
さらに、矯正装置によって矯正が終わったあとに行われる保定期間中や、経過観察では3か月~6か月おきの通院になることが多いです。
治療の痛みはあるの?
歯科矯正の痛みについては気になるところですが、人によって矯正装置を初めて付けた時や、装置を調整した際に、痛みや浮くような感じがあることもあります。
ですが、矯正装置をつけて数時間すれば歯が動く準備を始めるため、それによりこのような感覚が現れてくるのです。
矯正装置のこのような痛みについては、数日で治るとされていますただ、歯の動きや人それぞれ痛みの耐性によっても差があり、はじめから痛みをほとんど感じない方や、食事の際食べ物を噛む時に感じる方、長時間痛みが続いてしまう方もいるにはいます。
ですが、次の診察まで痛みが続くことはないと言われています。
歯科矯正の費用
次に気になるのが歯科矯正にかかる費用です。
歯科矯正には保険が効かないため、すべて自費診療となります。
初診の際に3000円~5000円程度、検査には30000円~50000円程度かかるのが一般的です。
費用の仕組みはそれぞれの矯正歯科医院によって違うため一概には言えませんが、すべての矯正治療にかかる総費用はおおよそ70万円~110万円程度が多いようですね。
矯正歯科の選び方とは?
では、どんな矯正歯科を選べばいいのでしょうか?
以前なら医者は専門家だから全部任せていればいいという態度が医者からうかがえたものです。
ですが、現在ではインフォームドコンセントという患者の同意のもと治療を行うべきで、すべて患者に知らせてから治療を行うという考え方に変わってきています。
患者から見えれば難しすぎて分からないということもありますが、質問して分かった上で治療に臨むようにしましょう。
何度質問しても嫌な顔をしない医師は信頼できると考えていいでしょう。
次に、やはりその医院で治療を受けた人の意見を聞きましょう。
実際長期間その医院で治療を受けた人なら、治療中の医院側の対応や満足度、アフターケアがじゅうぶんかどうかなど、さまざまな意見が聞けるはずですよ。
最近ではホームページなどでも患者の意見の口コミが見られるので、そういうものを参考にしてもいいでしょう。
また、医院内が清潔かどうかもチェックポイントになりますね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
矯正歯科の基礎知識について書いてみました。
矯正歯科に行ってみたいけれど、イマイチどういうものか分からない・・という方のご参考にしていただけると幸いです。
ご自分にぴったり合った矯正歯科が見つかるといいですね!