歯周病になるメカニズム!歯周病を進行させる原因とは1
2018年1月9日はじめに
歯周病は突然重い症状が出るわけではなく、知らず知らずのうちに少しずつ進行していく恐ろしい病気です。進行してから慌てて治療するよりも、早期発見早期治療が望ましいです。
ここでは歯周病のメカニズムや歯周病を進行させる原因についてまとめてみます。
ぜひ、歯周病予防にお役立てください!
歯周病のメカニズム
歯周病とは細菌感染により発症する炎症性疾患のことです。
歯と歯ぐきの間をきれいにブラッシングしていないと、そこに細菌が溜まってしまい炎症が起きます。やがて赤くなったり腫れたりしますが、痛みが起こることはほとんどありません。
さらに進んでしまうと、歯周ポケットと言われる歯と歯ぐきの境い目が深くなってしまい、歯を支えている歯槽骨が溶け歯がぐらつき出し最終的に歯を抜くことになりかねません。
歯周病と虫歯の違い
虫歯は歯自体が侵される病気ですが、歯周病は歯を支えている組織が侵される病気です。
また、虫歯の原因菌は虫歯菌で、歯周病の原因菌は歯周病菌ですが、この2つの最大の違いは棲んでいる場所だと言われています。
虫歯菌は糖分を栄養に酸を産出し歯を溶かしてしまい、進行すると神経にまで及び痛みが起こります。
いっぽうで、歯周病菌は歯と歯ぐきの境い目から出るたんぱく質を栄養としており、これによって歯ぐきを破壊し炎症を起こします。
歯周病菌は歯の周りの組織を壊していきどんどん進行していく病気です。
歯周病を進行させる原因
食べもののかす
歯周病を進行させる最大の原因は食べもののかすだと言われています。
アメリカのある調査結果によれば、栄養があまりない硬いお肉を食べた場合と栄養が豊富な柔らかいお肉を食べた場合を比べると、柔らかいお肉を食べた方が歯周病になりやすいそうです。
この理由は咀嚼がいかに歯にとって重要かということを示しています。
咀嚼という行為は歯の周囲の組織を強くすると言われているため、硬いものを噛めば噛むほど歯の周囲の汚れも取り去ってくれるという自浄作用が期待できます。
ですが、柔らかいものばかり食べていえると、あまり噛まないまま飲み込むため歯と歯の間に食べもののかすが溜まりやすくなります。
さらに、食べもののかすには栄養分が豊富なので細菌にとって最高の栄養となってしまうのです。
細菌
細菌によって歯ぐきや歯槽骨が炎症を起こしてしまい、炎症を進行させながら細菌がどんどん増殖し攻撃力が強まって歯周病がさらに進行します。
プラークや歯石
歯の周りに付く細菌性のプラークや歯石が歯周ポケットに入り込んでしまい、そこで増殖することで歯周病が進行します。
噛み合わせの悪さ
噛み合わせが悪いと、頭痛や肩こり、めまい、食欲減退・・などが起き日常生活に支障が出ますが、歯周病を進行させる原因にもなります。
全身性疾患
高血圧、糖尿病、血液疾患・・などさまざまな全身性疾患によって歯周病が進行することがあります。他に、精神的ストレスやホルモンバランスの乱れなども関係していると言われています。
また、服用しているお薬やビタミン不足、アレルギーなども歯周病を進行させる原因になります。
全身性疾患にかかってしまうと、抵抗力が落ちてしまい炎症が起きやすくなるとも言われています。
歯周病の進行を食い止めるには
日ごろのブラッシング
歯周病の原因の1つにプラークが挙げられますが、このプラークを溜めたり増やさないことが大切です。そのためにも、まずは正しいブラッシングを行うことが重要でしょう。
歯の表面をプラークのないきれいな状態に保つようにしましょう。鏡を見ながら毛先がしっかりと届いているかチェックしながら磨きます。横でも縦でもいいですし、円を描くようにでもいいので小さく動かすようにしましょう。
また、力を入れすぎてしまうと、プラークをしっかり落とすことができないですし、歯や歯ぐきを傷めることになりますので、力の目安としては毛束がまっすぐの状態で歯の表面に当たるくらいがちょうどいいでしょう。
毛先を使いブラッシングすると、プラークを取り除く効果が高まります。
どうしても大きく動かしてしまいがちですが、歯には凹凸があるので小刻みに動かさないと毛先が届きづらくなります。特に、歯と歯の間や裏側をブラッシングする際は大きく動かしすぎると、毛先がせっかく入っても出てきてしまうので注意しましょう。
1つの歯につき10~20回程度磨くのが理想です。
プラークは粘着性物質なので、数回ブラッシングした程度では落としきれません。また、1日に最低1回は時間をしっかりかけ隅々までゆっくりとていねいに磨くことが大切です。
できれば、毎食後磨くことが重要ですが、無理であれば寝る前だけでもゆっくりていねいに磨くようにしましょう。
クリニックで定期検診を受ける
歯周病は再発しやすい疾患なので、定期的な検診を受けることが重要です。数か月ごとにクリニックで検診を受けましょう。
プラークは細菌の集まりですが、日ごろのていねいなブラッシングで取り除くことができます。ただ、歯周ポケットの深いところに関してはブラッシングだけでは取り除くことができませんので、クリニックでプロの手で専門的なクリーニングを受け、完全に取り除いてもらいましょう。
歯周病は治療によってある程度状態がよくなっても、いったん歯周病に侵されたところの溶けてしまった骨が元に戻ることはありません。
ブラッシングやメンテナンスがいい加減だと、細菌が活動を始めてしまい歯周ポケットは深くなり再発してしまいます。さらに、治療には限界があると言われており、部分的に治癒できないところがあります。
そういったところについてもクリニックでメンテナンスを受けることで進行を食い止められると言われています。
まとめ
歯周病のメカニズムや歯周病を進行させる原因についてまとめてみました。
歯周病は症状を感じないまま進行していく恐ろしい病気です。最悪歯が抜け落ちてしまうこともあるので、歯周病にならないためにも日ごろのブラッシングや定期的なクリニックでの検診を受けていただき予防に努めてくださいね!