予防歯科における歯磨きの重要性

2020年8月30日

虫歯予防に歯磨きの回数は重要か

予防歯科において、日々の歯磨きは非常に重要です。
では、例えば歯磨きを朝・昼・晩の食事の後に必ずすれば、虫歯や歯周病といった口内トラブルを予防できるのでしょうか。
この問いに対しての答えは、「わからない」です。YESでもNOでもありません。
たとえ歯磨きの回数が3回から5回に増えてもYESになることはありませんし、NOになることもないのです。
なぜなら、歯磨きは回数よりも磨き方がとても大切であり、歯磨きの回数のみ増えても、磨き方の内容が伴っていなければ虫歯になることがあるからです。

ブラッシングにおいて大切なもの

前項では、磨き方の内容が大切であると述べました。
これは、言い換えると歯磨きの精度のことを表します。
多くの方々は、歯磨きの精度よりも頻度を重視される傾向にあるといっても良いでしょう。
そのため、虫歯にすぐなってしまう方の中には、虫歯予防のために1日に何回も歯磨きをされている方が存在します。
歯の隅々までブラッシングができないような精度の低い歯磨きであれば、一日に何度歯を磨いたとしても、虫歯や歯周病と言ったお口のトラブルの予防への効果を見込むことはできません。

そもそも、なぜ虫歯の予防方法として歯磨きが推奨されているのかご存知でしょうか。
何かを口にした後のブラッシングが不十分だと歯の表面に「プラーク(歯垢)」が付着します。
プラークにはおよそ600種類、1㎎中に1億個以上の細菌が生息しているといわれています。
当然その中には虫歯菌も生息しています。
プラークは粘着性が高いため、うがいをしたくらいでは除去することができません。
プラークをしっかりとお口の中から取り払うためには、ブラッシングを行う必要があります。
そのブラッシングも、プラークをしっかりと取り除けるような磨き方をしなければ、何度回数を重ねても虫歯予防に効果を示すことができません。
虫歯予防で大切なのは、いかにして磨き残しを減らし、プラークを可能な限り除去するかにかかってきます。

磨き残しを少なくするために

虫歯や歯周病を患っている方や、その一歩手前まで行っている方を診察し、普段のブラッシングについてお伺いすると、ほとんどの方から「歯ブラシのみで歯磨きをしている」というお答えをいただきます。
歯ブラシのみのブラッシングだけでプラークを隅々まで除去することは至難の業です。
取り払いきれずに残存したプラークから、虫歯や歯周病になったり、病状がさらに進行してしまったりするのです。
では、歯ブラシでのブラッシングよりも高い精度で歯磨きを行うにはどうすればよいのでしょうか。

1.歯間ブラシやデンタルフロスを活用する

歯ブラシで歯と歯の間などの細かい隙間を磨くことはとても困難です。
そこで、細かい隙間を磨くことに特化しているデンタルフロスや歯間ブラシが活躍します。
これらと一緒に歯ブラシを活用することで、歯垢の除去率をさらに高めることができます。

2.プラークテスターを活用する

より本格的なプラーク除去を図るのであれば、プラークテスターのご利用も検討してみてはどうでしょうか。
プラークテスターとは、本来であれば白色・薄黄色のため歯とほとんど同化して見えるプラークを赤色などに染色してよく見えるようにするためのもので、「プラークチェッカー」や「カラーテスター」とも呼ばれます。
プラークテスターを用いると歯垢が着色されるので、自分の磨き残しを確実に目で確認することができます。
数日間つづけて使用することで、だんだんとご自身の磨き残しが出る箇所のパターンが見えてくるようになるでしょう。
自分の歯磨きの弱点を知り、克服することで予防歯科の効果を高めます。
プラークテスターは薬局などで購入することができます。

3.歯科衛生士からブラッシングの指導をしてもらう

歯科医院によっては、定期検診で歯科医師や歯科衛生士からブラッシングの指導を行っています。
定期検診で、日々の磨き残しなどをプロの目で見抜いてもらい、それを元に指導を受けることができるので、指導ポイントを意識して日々のブラッシングに実践することで、効率よく歯垢を除去することができます。
歯並びは十人十色で、磨き残しのポイントも人によって異なります。
プロによる指導を定期的に受けていただくことで、質の高いブラッシングができるようになります。

4.定期検診を活用しましょう

虫歯や歯周病予防に効果的なのが、自宅でのブラッシングのほかに、歯科クリニックでの定期的な健診です。
定期的に歯科医や歯科衛生士に歯を見てもらうことで、先程述べたようなブラッシングの指導のほかに、歯のクリーニングも受けられます。
歯を定期的にクリーニングすることで、虫歯の予防にも大きな効果が期待できるほか、定期的に健診を受けることで、仮に虫歯が見つかったとしても初期段階での対処が可能になります。
また、定期検診には虫歯の予防効果を高めるほかに、虫歯の重症化を防ぐこともできます。
特に歯に詰め物や被せ物をしている方は、それらが経年とともに劣化することで二次虫歯を発症することがあります。
これを防ぐためには定期検診がとても重要になります。
定期検診の受診ペースは3か月に1回が理想とされていますが、最低でも6か月に1回は定期検診を受けるようにしましょう。

歯に痛みがなくても虫歯になっている場合も

「虫歯」というと、多くの方がズキズキとした痛みがあるものだ、という認識をお持ちかと思います。
しかし、歯に痛みを感じていなくても虫歯になっていることがあります。
そのため、「今はに痛みがないから自分は虫歯ではない」と断言することはできない、といって良いでしょう。
では、どのようなケースの虫歯が痛みを感じないのでしょうか。

虫歯の初期段階

初期段階の虫歯は、歯の表面のみに虫歯ができている状態です。
そのため、歯を構成するエナメル質の保護効果によって痛みを感じることはありません。
この初期段階で虫歯を発見し、治療を行えれば、虫歯の状態によっては歯を削らずに治療することが可能な場合もあります。

神経のない歯の二次虫歯

二次虫歯とは、簡単に表現すると虫歯が再発していることを指します。
その歯が最初に虫歯になった時に、治療で神経を取り除いた場合、同じ歯に再度虫歯ができたとしても、神経がすでにないため痛みを感じることがないのです。

虫歯の進行が進み神経が死んでいる場合

虫歯が進行するにつれて、痛みがひどくなっていきます。
しかし、虫歯が神経にまで到達してしまうとこれまでの激痛からは一変して、何の痛みも感じなくなります。
これは、虫歯によって歯の神経が死んでしまったことを意味し、神経が失われたことによって痛みを感じることができなくなったのです。

番外編・・・歯周病

本項の趣旨とは少し異なりますが、歯周病も特に痛みを感じることはありません。
そのため、歯に痛みを感じていないという方が歯科医院にかかった場合でも、虫歯や歯周病になっていた、という事実が少なからず存在しているのです。

まとめ

虫歯や歯周病と言った歯のトラブルは、適切なブラッシングをすることによって罹患の可能性を減少させることができます。
適切なブラッシングに関してのご相談は、歯科医院にしていただくのが一番です。
多賀歯科医院では、予防歯科治療の一環として適切なブラッシングの指導も行っておりますので、お気軽にご来院下さい。

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