お口のトラブルには治療よりも予防を

2019年8月21日 八王子歯医者 多賀歯科医院

歯医者にはトラブルが起こる前に行くことが大切です

昨今の歯科業界では、予防歯科の必要性を常に提唱しています。
しかし、欧米諸国と比べるとここ日本では一般の方々の予防歯科の認知度は高いとは言い難い面があります。
だからこそ、歯科クリニックは予防歯科の重要性をより多くの方たちに広めていく必要があるのです。

なぜ、現在の歯科業界において予防歯科が求められるようになったのでしょうか。
かつては、歯医者には歯が痛くなってから行くという方や、虫歯がひどく食事も取りづらくなったので行くという方など、といったようにお口に何かトラブルや不具合を感じてから受診するという場合がほとんどでした。
そしてそういった状態で歯医者にかかると、大抵は歯周病や虫歯がある程度進行してしまっているため、治療内容がより複雑になり、そして通院や治療回数も増えてしまったりすることが多く、病状の進行の程度によっては抜歯が避けられない、となってしまうことも少なくありませんでした。

さて、近年では、自分自身の歯で食べ物をしっかり噛み食事をすることや、お口の中の環境を整えてあげることが、口腔内のみならず全身の健康にも大きな影響を与えることが明らかになりつつあります。
虫歯は一度治療を行うと再発するリスクがとても高くなります。
そのため、虫歯や歯周病の発生を防ぐ、あるいは発生しても軽度な状態に止まらせられるように、予防歯科に努めることが推奨されるようになったのです。

昨今の虫歯治療の現場で取り入れられている思考と治療法

歯に痛みや違和感を感じるという状態は、すでに歯やその周辺が何らかの細菌感染や炎症が深部にまで到達している、ということを示している可能性が非常に高いです。
そのため、歯を大きく削る治療が必要となるケースが必然的に多くなります。
近年の虫歯治療の現場では、『MI』という考え方や、それに基づいた治療が主流になっています。
MIとは「Minimal Intervention」(ミニマル・インターベンション)・・・すなわち「最少の侵襲による治療を行うことで、可能な限り歯を削らず最小限のダメージに抑えた治療を行う」という意味があります。
MIを簡潔に説明すると、歯に大きなダメージを与えてしまいかねない歯の削り取りによる治療を、不必要なダメージを与えない、ということを念頭に置いて執り行う治療法です。
この概念は予防歯科の概念と相まって、現在の歯科治療の重要な中核となっています。
MIの治療を行うためには、歯が痛くなる前の行動がとても大切になります。

適切な治療を行えず虫歯の可能性が高まることも

一度歯周病や虫歯になってしまうと、しっかりと治療を行わなければ完治を期待することはできないと言って良いでしょう。
そして、歯や歯肉は治療によってこれらのトラブルが治ったからといって、あっさりと元通りになるということはありません。
たとえば、虫歯の治療として詰め物や被せ物をしたりすると、一見治ったようにも見えますが、適切な治療を行った上で詰め物・被せ物をしないと、虫歯の再発の可能性が反対に高まってしまいます。
歯周病も虫歯と同様で、症状が進行してしまうことで口内のメンテナンスが行いにくくなり、そこから転じて細菌が繁殖しやすい環境へとどんどん進行してしまう、という恐れがあります。
このように細菌たちは、しっかりとした治療を行わなかったり、あるいは行うことができない限り、その隙を突いて繁殖してしまうのです。
これに伴って治療も後手後手に回ってしまい、いたちごっこのような状態になっている患者さんも少なくありません。

予防歯科という新しい考え方と取り組み

歯科疾患の予防自体はかねてから行われていました。
ただ、これまでの予防の考え方は「虫歯や歯周病にならない」という漠然なものだったため、昨今のような本格的で徹底的な予防ではなかったといって良いでしょう。
これまでは治療ありきな考え方が主流だった歯科業界も、昨今はは予防を基礎とした診療が中心となっています。
抜歯する治療から、削る治療へ移り、そして、トラブルを未然に防ぐための予防と、ステージが徐々に移り変わってきた、と言っても良いでしょう。

なぜ予防歯科治療の重要性が叫ばれるようになったのか

80歳で自分の歯を20本以上残っている状態を目指す運動、通称「8020運動」が提唱されて久しいですが、現実問題として、虫歯や歯周病が蔓延したことにより、80歳段階でご自身の歯が20本残っている、という方はとても少ないと言われています。
虫歯と歯周病は、そのどちらもも細菌の感染によって発生する病気です。
しかし、細菌と虫歯・歯周病の関係についてきちんと理解しているという患者さんは少なく、虫
 
歯や歯周病になってしまうのも、
 
「甘いものを間食でたくさん食べるから」
 
「歯磨きを毎日きちんとしないから」
 
と短絡的に捉えている、という方も少なくありません。
 
もちろん、歯磨きの有無や甘いものの摂りすぎもお口のトラブルに少なからず関係はあります。
また、近年の研究で、虫歯や歯周病を引き起こす細菌たちの中には、血管から体内に侵入し、全身を駆け回って人間の健康を脅かす菌がいる、ということも明らかになってきています。
 
人間が健全な生活を行っていく上で
・自分の歯で食べ物を咀嚼すること
 
・バランスよく栄養を摂取すること
 
・健康の維持増進を日々目指すこと
 
の三点はとても大きな課題となります。
お口の中の健康が、長期的なスパンで見た健康で健全な生活に大きく関係があることをよく理解いただくことが肝心です。

予防歯科に注目が集まっています

北欧の諸国のような『歯科先進国』とよばれる国々では、以前より予防歯科という考え方が広く定着していました。
それは80歳時点の残存歯数を参照しても明らかで、その逆に日本は歯科先進国の国々よりも遅れている、といって良いでしょう。
現代日本は平均寿命こそ世界でも有数の長寿国家ですが、一方で歯や口の健康についてはほかの歯科先進国に大きく水をあけられているのです。
日本では、国民皆保険制度という世界中でも稀な健康保険制度を導入しています。
この「保証の限り、治療を安価な個人負担で受けられる」という国民皆保険制度によって、命にかかわることの少ない歯科治療が比較的軽んじられている傾向があるようにも思われます。。
痛くなったら、あるいは、調子が悪くなったら病院に行く、という考え方を広く国民に定着させる要因のひとつとなったとも言えます。

予防歯科を行っている歯科クリニックも増加しています

以前と比べ、歯科医の診療分野のバリエーションは増えています。
そのバリエーションのひとつとして、『予防歯科』を掲げる歯科クリニックも増加しています。
これは、予防歯科の重要性が歯科業界で広く認識され、歯科医院が開業している地域にお住まいの多くの方々に予防歯科の重要さを啓蒙し、歯科医や歯科衛生士などの口腔衛生のプロによるメンテナンスを受けていただく、というメリットが徐々に広く認知されてきていることを表しているといっても良いでしょう。

治療ではなく、予防歯科に重点を置いている歯科医も増えています

予防歯科治療の現場では、主に検診と歯のメンテナンスを行います。
歯のメンテナンスには、歯石や歯垢の除去、PMTCという歯科衛生士による機械的な歯面清掃、薬物の塗布などが行われます。
歯科クリニックによっては、より精密な検査を行っているところもあります。
このような手厚いメンテナンスを定期的に行うことで、将来的な歯の残存数も飛躍的に増加させることができ、歯肉の炎症や歯周ポケットなどのお口のトラブルも軽減することができます。
そしてなにより、虫歯の罹患率を大きく減少させることができる、といっても良いでしょう。
予防歯科の受診費用は自費診療になりますが、多くの歯科クリニックではリーズナブルな価格に設定されているため、気軽に受診いただくことができます。

予防歯科を重視している歯科医院の選び方

予防歯科を重要視している歯科医院は、これまでの治療を中心とした歯科クリニックではなく、予防を中心としているため、新しい形の歯科医院であるといっても良いでしょう。
このような歯科医院を選ぶためにはいくつかのポイントがあります。
 
・予防を担当してくれる歯科衛生士がいるかどうか
 
・家庭や日常生活での歯のブラッシングのポイントなどの注意点を親切丁寧に教えてくれるかどうか
 
・ホームページや院内の掲示物などで予防歯科の取り組みについて明確な説明がされているか
 
・ハガキなどで定期検診の連絡をしてくれるかどうか
 
予防歯科治療はは一回だけすればいいというものではありません。
継続的かつ定期的に行う必要があるため、長い付き合いが可能な歯科医院を選ぶことが大切です。
 
定期的に受診し、お口のチェックやメンテナンスを受けるためにも、自分のペースや希望、自宅や職場からのアクセスなど、それぞれの条件に合った歯科医院を見つけることが大切なのです。

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