お子さんの歯を守るためには、まずお母さんの歯のケアから

2019年8月5日 多賀歯科医院 八王子 歯医者 コラム写真080502

親子で虫歯の予防やケアをしましょう

大切なお子さんの歯を大切にしたい、という願いはお父さん・お母さんなら誰しもが持っていることでしょう。
しかし、まずはお子さんよりも親であるお父さん・お母さんの歯をしっかりとケアをしてあげなければいけません。
お子さんの歯を大切にするためには、まずご自身の歯を守ることが大切です。

虫歯と遺伝や遺伝子の関係性について

予防歯科に関するとある研究データによると、歯の病気は遺伝によって左右されることがあるそうです。
つまり、虫歯で苦しんだ過去があるお母さんだけがお子さんのケアを頑張っても、受け継がれた遺伝子によって虫歯になりやすくなってしまうこともある、ということです。
お口のトラブルに関しては、特に虫歯や歯周病、歯並びなどが遺伝による影響が出る場合が多い、とされています。

唾液や歯並びも遺伝する?

虫歯は、お口の中の細菌が歯に付着することで作られます。
この虫歯の原因菌が歯の表面に付着しやすいかしにくいかは唾液の成分によって違ってきます。
人間の唾液には、ペリクルという糖たんぱく質が含まれています。
このペリクルの性状ですが、実は人間一人一人によって異なります。
ペリクルの性状の差によって、歯に細菌が付着しやすいか、付着しにくいかに違いが生まれます。
ペリクルが歯の表面を覆うことで、外敵の刺激から歯を保護する役割を果たします。
特に、ペリクルは歯の表面のエナメル質の保護を強化します。

近年では、ペリクルの成分が遺伝的に親から子へと引き継がれることが明らかになっています。
このことはつまり、母親が生まれつき虫歯になりやすい体質だった場合、その子どもも虫歯になりやすい体質であるという可能性があることを意味しています。
また、ペリクルと同様に歯並びも遺伝的な影響が出ることが明らかになっています。

先ほど軽く述べましたが、歯並びも親から子へと遺伝します。
特に下顎の形状が遺伝した場合、歯に対して多大な影響を与えます。
例えば、頭蓋骨に対して下顎の骨が大きい場合、噛み合わせは正常ではなくなり、歯に細菌が残留しやすくなるため、虫歯や歯周病などのお口のトラブルの原因となるため歯にとっても悪影響が出ます。

お子さん達の歯を守るためには

お子さんの大切な歯を守りたいと思うお父さん・お母さんは、何よりもまず自分自身の歯をケアしてあげることが大切です。
私たち人間は、誰一人の例外なく、虫歯になって生まれてくる、ということはありません。
言い換えるならば、生まれた瞬間にお口の中に虫歯菌を持っている赤ちゃんはいない、ということのです。
赤ちゃんのお口の中に入り込んだ細菌は、赤ちゃんが生まれてから数日間の間に、赤ちゃんの口から体の中に入り込みます。
こういった状況を、一般的には「父子感染」「母子感染」と呼称します。
しかし、このような親子間の感染の可能性やリスクを恐れてしまうことで、お父さん・お母さんは大切なお子さんとのスキンシップをとることができなくなってしまいます。
また、もし仮にスキンシップをしなかったとしても、赤ちゃんをすべての菌から完全に隔離する、ということはできません。
親御さんが感染を恐れるあまり、お子さんとのスキンシップを行わなくなると、その次にお子さんと多く接触を持つ人からお子さんに様々な菌が感染します。
つまり、父子・母子感染のほか祖母感染、祖父感染などの可能性がある、ということです。
このように、感染を避けることは不可能に近いといっても過言ではありません。
ならば、それよりもなぜ虫歯になるのかという原因を解明し、お子さんが虫歯を発症しないように対策を講じることが大切になってくるのです。

お子さんの歯を虫歯から守るためのポイント

ここで改めてお子さんを虫歯にさせないために親御さんが知っておくべきいくつかのポイントをまとめていきます。

1.お母さん自身も虫歯の予防歯科をしましょう

お子さんだけが虫歯のケアをすればよいのではなく、親御さん側の自身の虫歯予防もとても大切です。
虫歯になぜなってしまうのかという点を知っていることは、虫歯予防に対しての大きなアドバンテージになります。
虫歯や予防歯科についての知識を身につけ、実践しましょう。

2.乳歯が生え始めたら定期的にフッ素を塗りましょう

乳歯は生後6か月前後から徐々に生え始めます。
生えたての乳歯は、まだまだ歯の質が弱いため、歯科医院にて高濃度のフッ素を塗布していただくと安心感が強まります。
フッ素を塗ることで、歯を強化することができます。

3.歯科医師の指導の元、適切なブラッシングをしましょう

乳歯が生えてきたら、いよいよブラッシングです。
最初の乳歯は、赤ちゃん用の歯ブラシでブラッシングができると一番理想的です。
これが難しい際は、綿棒やガーゼなどで歯をぬぐってあげましょう。
人間は寝ている間に唾液の分泌量が減少し、お口の中の自浄作用が低下するため、一日一回寝る前にブラッシングを行うとよいでしょう。

お子さんが1歳になるころまでには、歯ブラシを用いて歯を一本一本ブラッシングしてあげるのが理想的です。
磨いた後はお口を拭ってあげるとよいでしょう。
1歳半から3歳くらいまでの間は、一日一回、寝る前にブラッシングをしてあげましょう。
3歳から6歳くらいまでは、さらに朝にもブラッシングを追加します。
この頃になると自分で歯を磨けるようになりますが、不慣れだったり歯磨きを嫌がるお子さんの場合でしたら、親御さんは一緒に歯磨きをしてあげてください。
6歳を過ぎると、歯が乳歯から永久歯に生え変わるようになります。
これから長年付き合っていく歯ですから、念入りに、歯の隅々まで磨けるようなブラッシングをしましょう。
また、10歳くらいまでは、永久歯と乳歯が混在しているためか磨きにくい部分もありますので、必要に応じて仕上げ磨きなどをしてあげると、より虫歯に対しての効率の良い対策を取ることができます。
永久歯になって歯磨きの仕方がうまくいかない時は、いつでもお気軽にご相談下さい。

4.デンタルフロスも忘れずに

歯と歯の間は、ブラッシングが不十分になりがちで、歯垢が溜まり、それがやがて歯石となり、虫歯や歯周病が発生しやすい場所のひとつです。
特に歯と歯がくっついている場所で虫歯になるケースが多くあります。
1歳半ごろから前歯を、3歳ごろから奥歯をそれぞれデンタルフロスを用いてケアしてあげましょう。
「子供にフロスは早いのでは?」というご意見もありますが、お子様用のデンタルフロスというのも市場には多く出回っております。
遅きに失することなく、早め早めのご利用が肝心なのです。

5.永久歯が生えてきたらシーラントをしましょう

第一大臼歯と呼ばれる6歳臼歯が生えてきたばかりのころやその成長途中は、噛む面の溝が深いため歯ブラシが届きにくく、生えてから一年の間におよそ50%のお子さんがそこに虫歯を患っている、というデータがあります。
そのため、あらかじめ6歳臼歯の溝に詰め物をして隙間を埋めることで虫歯を予防するという手法が選択されます。
シーラント填塞(てんそく)と呼ばれるこちらの治療は、当院でも行っておりますのでお気軽にご相談下さい。

キシリトールを有効活用しましょう

お子さんは胃が小さく、一度に多くを食べられません。
そのため、食事の間にとるおやつも大切な食事の一つとなります。
このおやつの内容や食べ方に気を配ることで、虫歯のリスクを抑えることもできます。
キシリトールが配合されたガムやタブレットを食べることにより、お口の中を虫歯になりにくい環境へと整えることができます。

キシリトールの有効性について

個人でできる虫歯予防の一つとして、キシリトールの活用が挙げられます。
キシリトールは自然界に存在している甘味炭水化物の一つで、他の糖類などとは違い虫歯の原因にならず、虫歯の発生を防ぎます。
キシリトールの効果には以下のようなものがあります。

・虫歯の原因菌であるミュータンス菌の増殖を抑止する

・虫歯の原因となる酸を生み出さない

・歯垢の量を減少させ、歯に付着しにくくする

・唾液の分泌を促すことで、お口の中の自浄作用を向上させる

・歯が酸で溶けることを防ぐので、歯の再石灰化が促進する。

キシリトール製品はどのようなものを選ぶべきか

キシリトールはお口の中に長くとどまることによってその効果を最大限に発揮します。
そのため、キシリトールの効果を期待できるお菓子として、タブレットやガムが挙げられます。
また、これらのガムやタブレットを選ぶ際にも気を付けるべきことがあります。
高濃度のキシリトールが入っていること(50%以上が目安です)、「シュガーレス」または糖類が0%であることの二点です。
これらを押さえたお菓子であれば、必要な効果を得ることができる、といって良いでしょう。

キシリトール製品の最も効果的な食べ方とは

虫歯になりやすい体質の方は特に、一日三回・三か月以上キシリトール入りのタブレットやガムを食べることで、虫歯予防の効果を高めることができると言われています。
そのため、赤ちゃんへの虫歯菌の感染を防ぐためには、赤ちゃんが歯の生えてくる約三か月前(生後三か月前後)から周囲の親御さんやお祖父さん・お祖母さんなどがキシリトール製品を摂取すると効果的である、とも言われています。

【まとめ】見えないものの予防は困難です

お子さんの虫歯の予防は、なかなか目に見えにくいもので、一概に頑張る、と言っても何をやっていいのか、難しいものです。
また、いくら毎日のブラッシングに気をつけたとしても、目には見えない遺伝子の部分に問題点があるとなると、虫歯を防ぐのはとても難しくなってしまいます。
だからこそ、目に見えないものに対しての予防が大切になります。
「予め防ぐ」と書いて予防です。
問題が顕在化してしまうその前に、未然に防ぐことでお子さんの健やかな成長を、温かい気持ちで迎えることができます。
多賀歯科医院では、お子さんと親御さんの歯を守っていくお手伝いをしています。

PAGE TOP